蒼天の猫標識『蝉人間』の稽古場にお邪魔させて頂きました。
不思議な劇団名が印象的な劇団です。
会話劇を中心とした作品作りを進めているこということで、大人の雰囲気のある落ち着いた稽古場でした。
敢えて冬に蝉の話をするということで、そこにどんな意図が含まれているのか、とても興味深くお話を聞くことが出来ました。
●いば正人さん(作・演出)、まといさん(出演)の話
――劇団名の由来を教えてください。
いば正人さん(以下いば):よく聞かれるんですが特に意味は無くって(笑)。たまたま4人の男が「今思い浮かべた単語を合わせて名前にしよう」みたいな感じで。確か『青』『空』『猫』『標識』だったと思います。
――普段はどのようなお芝居をされている劇団なのでしょうか。
いば:会話劇ですね。今回6回公演になるんですが、色々な方法論を試していて、前回公演くらいから落ち着きました。日常的な会話劇です。結構静かな会話劇のジャンルになると思います。
――『蝉人間』という台本を書かれようと思ったきっかけを教えてください。
いば:ぼくは蝉が苦手で、特に蝉の死骸が苦手で。なので夏に外行くの嫌なんですけど、あれをどうやったら好きになれるのかなというのも含めて、蝉の話を書いてみようと思いました。
――12月の公演ということで蝉とは真逆の時期なのですが、敢えてこの時期にこれを持って来たのは何故でしょうか。
いば:簡単に言いますとG/PITがその日空いていたからです(笑)。でも確かに真夏の台本なんですが、冬やって良かったなと思える話になりました。冬に観て欲しい蝉の話です。
――演出で気を付けていること、試してみたいことはありますか。
いば:一人で芝居して欲しくないなというのがあります。一人芝居をして欲しくない。空間に2人いるのに、一人でも出来るような芝居はやって欲しくなくて。家で練習して出来る芝居はして欲しくないですね。「いま会話してる人とこの場で作りなさい」とはよく言います。
――舞台に立つ上で気を付けていることはありますか。
まといさん(以下まとい):会話劇がベースになっているので、リアクションとか受け方を気にしながらやっていますね。稽古で感じるものを大事にするようにしていますね。その場その場で。
――役者から見て、いばさんの演出の特徴はありますか。
まとい:人間を大事にしてくれます。役者に対しても尊重してる感じで。その人の良さを引き出せるように。
――今作の見所を教えてください。
いば:冬に観る蝉の話ということ。それを書き終えて気付いたのですが、こういうタイプの話を書くことが無いんですあまり。なので今後しばらくこういう芝居は観られないんじゃないかと思います。普段どうしようもない芝居を書いているので。今回は意外と暖かかったなと。じんわりしています。
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蒼天の猫標識『蝉人間』
作・演出:いば正人
会場:G/PIT
日時:2015年12月25日(金)~27日(日)
出演:玉岡舞子、佐倉悠斗、ジン、幸成茂、まとい、TERU(なんだかんだクレイジー)、台越竜太郎(フリー)、早川綾子(ブリッジプロモーション)