名古屋の学生劇団達による企画『Mosaic』の稽古場にお邪魔させて頂きました。
4つの劇団がシャッフルして3作品を出す企画とのことです。この日は作演、制作の方全員に顔を出して頂きお話を伺うことが出来ました。
今後を担う演劇人たちが自主的に企画を立ち上げ運営をするということで、とても楽しみにしています。
●青山和樹さん、清水由果さん、そーやさん、森達也さん、鈴音こうしさんの話
――今回の企画を立ち上げたきっかけを教えてください。
青山和樹さん(以下青山):うちの『野坊主』の一人が台本を持って来て上演をしたいと言ってきたんです。結局その台本は使わなくなったんですが、先に人を集めてしまっていて。そこで『劇団ムヂンエキ』の清水さんと焼肉に行って『幻想劇団まほろ』を呼ぶことになって、企画がスタートしたという感じですね。
――どういう形式で行うイベントなのでしょうか。
鈴音こうしさん(以下鈴音):名古屋でやっている学生4劇団が共同で公演をやると銘打ちまして、それぞれが作品を作って持ち寄るのではなく、稽古の段階から混ざって、お互いの作品に出たりスタッフで関わったりしながら、ひとつのイベントとして作品を上演しようというコンセプトでやっています。『「凸劇」隣の晩御飯』と『詫び錆』が20分、『限りある私たちの複数の揺らぎ』が40分になります。
――4団体で3作品ということですが、どのように分けたのでしょうか。
鈴音:最初に台本を持ち寄って貰って、そこから作演が主導して誰を出すのかを決めました。
そーやさん(以下そーや):役者が複数の作品に出ていることはありませんが、スタッフとして他の作品に参加することはあります。
――それぞれが演出する上で意識していること、やってみたいことはありますか。
そーや:これまで幻想劇団まほろで色々やってきましたが、今回は変わったタイトルにしたいなと思って『「凸劇」隣の晩御飯』としました。某番組のあれみたいな(笑)。チャレンジしたいこととしましては、それぞれの持ち味を生かした作品にしたいのと、映像や照明をふんだんに使ったものにしたいなと思っています。舞台がシンプルなので、その中でどれだけ派手に見せるかを考えています。1番目なので、インパクトの強い作品にしたいなと思っています。
森達也さん:これまでは大道具とかのスタッフワークをずっとやってたんですけど、今回初めて作演をやるということで、これまで側から観ていて「こうしたら面白いんじゃないか」と思ったことを実践しています。
青山:これまで作演とかやってきたんですけど、段々とぼく自身の中で伝えたいことが無くなってきて、なんもないなって。なんもないのに演劇をしていくんだったら、何をモチベーションにしようと考えた時に、物事を映す。時代を映すとか、世相を映すということの為にこのツールを使いたいなと思っています。
――イベント全体としての見所を教えてください。
鈴音:意識しているというか、差別化しなきゃいけないなと思っていることがありまして、『名古屋学生演劇祭』があるじゃないですか。『野坊主』と『幻想劇団まほろ』と『劇団ムヂンエキ』は昨年の演劇祭に出ていまして、そこに『劇団ギルド電撃蛍』が加わってという集まり方なんですけど、学生演劇祭の真似事は嫌だなと。だからそれぞれの劇団が作品を作るのではなく、ちゃんと混ざって一緒にやろうという違いを付けました。順位を付けたりしないですし。どれが面白いかと観て貰うよりは、複数の劇団の持ち味を期待して頂けたらと思います。
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『Mosaic』
会場:ナンジャーレ
日時:2016年6月17日(金)~19日(日)