劇団あおきりみかん『迷子の部屋』の公演にお邪魔させて頂きました。この公演は名古屋テレビ塔内に舞台を組んだ、特殊な構造の公演となっています。
この日はあいにくの大雨で外を出歩く人もまばらだったのにも関わらず、公演は満席、大盛況でした。
公演自体はコミカルにお客様の関心を寄せつつ、一方でそれぞれの人物描写や伏線をうまく張りながら展開していくという、鹿目さんらしい巧みな台本でした。役者の皆さんも基礎がしっかりとしていて、レベルの高い役者さんが多かったです。
そしてこの日はバックステージツアーが組まれており、そちらにも同行させて頂きましたが、この劇団は本当にお客様を大事にされている劇団だと感じました。劇団全体がお客様をとことんまで楽しませようという意識に溢れており、お客様と和気あいあいと楽しんでいる姿に、あおきりみかんが人気劇団になった理由がよく分かりました。
●川本麻里那さん、花村広大さん(出演)の話
今回はそれぞれ『10歳の少女』と『遊び人』という役を演じられていますが、役作り上で気を付けていた点はありましたか。
→川本麻里那さん:10歳ということはあまり考えずに、周りにちょっと不思議な人が多いので、その世界観に交じらないように、いっこ置いたところから演じるように気を付けました。
→花村広大さん:遊び人と聞くと『遠山の金さん』と思ってしまうので、遊び人ってなんなんだろうってところから考えました。最後にはあれは『遊び人』だ、というのが普通になっているのがいいかなと思いました。コスチュームで妖精です、とか、ウサギです、というのが無いので、遊び人の名前だけで変わっていくということ。この世界に居ながらもそういう風にお客さんに受け入れて貰えたらなと思ってやっています。世界が変わっていくが故にキャラクターが変わっていくということに違和感を与えないように演じています。
●鹿目由紀さん(作・演出)の話
今回はテレビ塔という少し特殊な環境での公演となりましたが、台本や演出上で意識した点、苦労した点はありますか。
→特殊な部屋でやるというのが決まっていたので、そこで移動を思い付いたのが最初にありました。そしてせっかく移動がある訳だから、話もそれに前後して面白いもの、移動前、移動後というような特殊性を意識しながら台本を書いたり、演出的にも、移動の前後で見た目的に違うものが生まれてくるといいんじゃないかと考えました。
公演の見所を教えてください。
→劇団としても狭い小屋でやるのは久し振りでしたし、こういう特殊なことをやるのを見逃して欲しくないと思います。テレビ塔でこんなにがっつりお芝居をやるのは初めてなので、是非足を運んで頂いて、お芝居を観て、改めて名古屋にこんな所があったということに気付いて貰えたら嬉しいです。
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劇団あおきりみかん其の弐拾八『迷子の部屋』
作・演出:鹿目由紀
会場:名古屋テレビ塔
日時:2013年4月4日(木)~4月21日(日)
出演:川本麻里那・花村広大・松井真人・みちこ・近藤絵理・篠原タイヨヲ・正手道隆・カズ祥・木下佑一郎・フタヲカルリ・手嶋仁美(Wキャスト)・中元志津(Wキャスト)