BB★GOLD『ミノタウロスの悪夢』

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BB★GOLD『ミノタウロスの悪夢』の稽古場にお邪魔させて頂きました。

元々はアクテノンのシニア演劇部出身の方々で、その後も演劇を続けたいということで結成された劇団ということです。とにかく皆さんとても楽しそうで、演劇に年齢は関係無いと思わされる光景でした。

若い方にも是非観てもらいたいとのことでしたが、内容的に若い方が観ても何ら問題ないと思いました。

良い刺激をたくさん受けた取材となりました。

●吉川洋子さん(代表)、佃典彦さん(作・演出)、出演の皆さんの話

――この劇団が立ち上がったきっかけを教えてください。

吉川洋子さん(以下吉川):一昨年、事業団が主催するシニア演劇部が終了し、そこで佃さんと離れるのは寂しいよねということで、佃さんに演出を打診してOKであれば劇団を立ち上げましょうという話になったんです。

――第二回公演ということですが、一回目はどのような作品だったのでしょうか。

吉川:谷川俊太郎の『おばけリンゴ』。佃さんが我々で選ぶようにと。でも今回はなかなか決まらなくて、2〜3候補を出したのですが、帯に短し襷に長しという感じで。わたし自身は佃さんの作風が好きだったので、佃さんに一任しましょうということで。それでこの作品がいいんじゃないかと。

佃典彦さん(以下佃):次のB級遊撃隊の公演『満ち足りた散歩者』にも重なるんですけど、僕は100本以上作品を持っていて、でも次から次へと新作をやっていると昔のものとかそのまんまになるのがちょっと寂しいなと。そう思っていたんですが、なかなかやる機会も無く。それで以前の作品とかを読み返してみて、これだったらシニアのメンバーでもいけるんじゃないかと。

――出演される皆さん、佃さんの演出を受けてみての感想を教えてください。

出演の皆さん:「優しい」「楽しい」「よく台詞が考えられているなあと関心しています」「直接動きを付けてくれるので、それを見るだけでワクワクします」。

吉川:他のシニア演劇はたくさんあるんですけど、このスピード感や軽妙な台詞を我々シニアの年代でやるというのはあまりないんですね。皆無かもしれない。これをシニアがやるってことにとってもわたしは感激しています。それが佃先生の作品なら可能かなって。

――最後に作品の見所を教えてください。

佃:台本の設定上の町が袋小路の迷路みたいな町で、一旦入ったらなかなか出ることが出来ない。そこで実際に千種座に線を引いて迷路みたいにしてみたり、ちょっとした遊び心をいれています。この台本は1時間20分くらいなんだと思うんですけど、台詞の量と、テンポと、出てくる登場人物が全員普通の人ではないので、それをシニアのおばちゃんたちが表現する所が一番の見所かな。

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BB★GOLD『ミノタウロスの悪夢』

作・演出:佃典彦
会場:千種文化小劇場
日時:2016年7月1日(金)